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【犬のシニア期】愛犬のシニア期をサポート -健康管理とケアの方法-

はじめに

今回のテーマはこちら
『愛犬のシニア期をサポート:健康管理とケアの方法』ということでシニア期のワンちゃんをテーマにやっていこうと思います。

シニア犬とは、一般的には7歳以上の犬を指しますが、犬種によってはその基準が異なることがあります。
シニア期を迎える愛犬の健康管理は、一層重要性が増してきます。
今日は、そんなシニア犬との共同生活を長く楽しむために、適切なケアのポイントをお伝えします。

この記事でわかること
  1. シニア犬で起こりやすい病気
  2. シニア犬の適切な健康管理
  3. シニア犬の介護

①シニア犬で起こりやすい病気

まずはシニア犬で起こりやすい病気についてです。
年齢とともに、関節炎や心臓病、腎臓病、認知症など、さまざまな病気や症状が現れることがあります。
これらについて順番にお話ししていきたいと思います。

関節炎

高齢の犬の約5匹に1匹は変形性関節炎という関節の節々が固くなり、痛みが出る病気を抱えています。
人でも歳を重ねると、腰が痛くなったり、肩が上がらなくなったりと体のあらゆるところが痛くなってくるのと同様に犬でも同じように関節炎が出てきます。

例えば、階段の昇り降りが困難になったり、いつもの散歩コースを歩き切ることができなくるなどの症状があれば、関節炎を抱えている可能性があります。

こういった症状は筋力の低下を招き、より老化を進行させるという悪循環を招きます。
早い段階で、関節炎の存在に気づき、予防的な治療を行なってあげることが大切です。
特に大型犬ではこういった関節炎の罹患率が小型犬よりも高いことが知られており、注意が必要です。

心臓病

反対に小型犬で発症が多いのが心臓病です。
高齢になると心臓も弱ってきます。

中でも報告が多いのが僧帽弁閉鎖不全症といって、
心臓の中にある弁が緩くなってしまう病気で、悪化すると咳の回数が増えたり、息切れがひどくなることがあります。

心臓病に関してはこちらの動画で詳しく解説していますので、チェックしてみて下さい。

腎臓病

次は腎臓病ですが、腎臓病では食欲の低下や脱水症状が見られることがあります。
腎臓病は尿検査や血液検査によって持続的な腎機能の低下を確認することで診断される病気です。
腎臓病があると、体の予備能力が落ちてきます。

例えば、高齢犬ですから何らかの原因で一時的にご飯を食べなくなったとします。
その時、若い子であれば数日食欲が落ちていても食べ始めたらすぐに回復することが多いですが、腎臓病を抱えている子はそのままズルズルと食欲の低下が長引く傾向があります。

腎臓機能を維持するためにもなるべく脱水状態にならないように、
こまめに飲水を促すなどして対応しましょう。

認知症

認知症は、最近相談が増えている病気のひとつであり、ペットの平均寿命が延びたことで新たに問題となっています。
シニア犬を飼っている方にとっては気になるトピックだと思いますので、犬の認知症を疑う症状について簡単にご紹介します。

認知症の症状には、「DISHAの徴候」というものがあります。
これは認知症の代表的な症状の頭文字を繋げたものでそれぞれ順番にご紹介していきます。

D:見当識障害

Dは見当識障害と言って、自分の居場所が分からなくなり、家の中で迷子になることや、いつもご飯を食べている場所にたどり着けない状態が挙げられます。
また、狭い場所に頭を突っ込んで抜け出せなくなることも見当識障害の一つに含まれます。

I:相互反応変化

Iは相互反応変化の略で、家族の顔が認識できなくなり、大好きだった家族に突然吠えたり、怯えるようになることがあります。
しかし、しばらくすると元の様子に戻ることが特徴です。
こういった症状は相手が誰かを認識できなくなっているサインです。

S:睡眠サイクルの変化

Sは睡眠サイクルの変化です。
昼夜逆転したような生活になり、昼間はぐっすり寝て、夜になると鳴き声が増え、近所迷惑や飼い主さんの寝不足につながります。

これは認知症になると脳内のセロトニンという物質が減ってくるせいで、
体内時計が狂ってくることが原因で起こると言われています。

H:学習能力の低下

Hは学習能力の低下です。
例えば、トイレを失敗することが増えたり、トイレに行こうとして立ち上がったものの、何をしようとしたか忘れてしまうことがあります。
これらの症状は記憶力や学習能力の低下が表れているサインです。

A:活動性、行動の変化

最後のAは活動性、行動の変化の略で、長年続けていた習慣のようなもの、
例えばお父さんが仕事に行くのを見送った後、散歩に行くという習慣を持っていた犬が、
散歩に行きたがらずに、ずっと寝るようになる場合などが該当します。

散歩に誘うとハッと思い出したかのように散歩に行きたがることもあります。
こういった何年も続けていた習慣に変化が見られた場合は認知症が出始めているサインです。

このようにシニア犬には、年齢とともにさまざまな病気や症状が現れることがあります。
特に、関節炎、心臓病、腎臓病、認知症などが多く見られます。

これらの病気や症状に早期に気づき、適切な対処を行うことがシニア犬の健康管理においてとても重要になってきます。

シニア犬に適切な健康管理を行うためには、これらの病気や症状に注意し、定期的な健康診断を受けさせることが重要です。

また、認知症予防には運動と栄養がとても大切であると言われており、
適度な運動や栄養バランスの取れた食事、シニア犬の健康状態を維持することで、より快適な生活を送らせることができます。

シニア犬の適切な健康管理

次はシニア犬の適切な健康管理についてのお話です。
栄養、運動、定期検診の3パートに分けてお話ししていきたいと思います。

栄養管理

まずは食事についてですが、シニア犬に適した栄養バランスの食事を提供するためには、シニア犬用のフードを選ぶことが効果的です。

シニア犬用のフードは、高齢になって代謝が落ちた犬でも適正体重が維持できるように低カロリーに設定されていて、消化に良い良質なたんぱく質のほか、ビタミンやミネラルも適量が含まれており、高齢犬の健康維持に役立ちます。

食事の量も適切に調整し、肥満にならないように注意しましょう。
あとは、お好みで関節や皮膚の健康に良いオメガ3脂肪酸を含むサプリメントを与えることも検討してみてください。

運動習慣

続いて運動に関してですが、適度な運動はシニア犬の健康維持に欠かせません。
散歩は関節の柔軟性を保ち、筋力維持に役立ちます。

ただし、シニア犬の体力に合わせて適切な運動量を調整しましょう。
無理のないペースで歩かせることが大切です。

散歩の方法に関してはこちらの動画で紹介していますので、是非ともチェックしてみて下さい。

定期的な健康チェック

シニア犬は、年に2回程度の獣医師による健康チェックが推奨されています。
これにより、病気の早期発見や予防が可能になります。

また、自宅でのケアも重要です。
食欲や活動量の変化、咳や息切れ、排泄物の状態などに注意を払い、異常があれば速やかに獣医師に相談してください。
若い頃に比べると体力も落ちており、治療介入の遅れが重症化へ直結します。

病気は早期発見が重要です。
食欲不振、嘔吐、下痢、元気がないなどのサインに気付いたら、すぐに獣医師に相談しましょう。

シニア犬の介護

最後はシニア犬の介護についてです。
シニア犬の介護では、犬のニーズに応じたサポートが大切です。
お家では食事のサポートや排泄のお手伝いが必要になるかと思います。

足腰が弱ってくると、踏ん張りが効かなくなるので、そのような時は滑り止めマットを活用しましょう。
滑り止めマットを床に敷くだけでも、歩行の安定性が向上し、犬が快適に過ごせます。

関節炎や認知症の悪化によりトイレがうまくできなかったり、思うようなタイミングで眠りにつくことが難しくなってきます。
本人もやりたくてこのような粗相をしているわけではないので、そういった際は決して怒ってはいけません。

ただ、介護するご家族もこういった日々が繰り返されると疲れてくるかと思います。
そういった場合は動物病院に1~2日預けるなどして、お出かけしたり、ぐっすり寝たりして気分転換を図りましょう。

ペットの介護は消耗戦になりがちです。無理しないように休息を取るためにも、動物病院やペットホテルを積極的に利用しましょう。

最後に

今回はシニア犬の健康管理とケアについてお話ししました。
シニア犬の健康管理は、飼い主の適切なケアやサポートが大切です。

年齢に応じた栄養、適切な運動、定期的な健康チェック、心と体のケア、そして介護のポイントに注意して、愛犬との共同生活を長く楽しみましょう。

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