獣医師がオススメするペットキャリーケース|快適&安全な選び方とおすすめ商品

はじめに
ペットを動物病院に連れて行くとき、どんなキャリーケースを使えば良いか迷ったことはありませんか?
キャリーケースはペットの安全な移動に欠かせないアイテムですが、選び方次第でペットや飼い主さんにとって大きな負担となることがあります。
動物病院で働いているとキャリーケースが原因で飼い主さんが困ったり、ペットがストレスを感じている所をよく見かけます。
この記事では、獣医師の視点から理想的なキャリーケースの条件やおすすめ商品を詳しくご紹介します。
キャリーケースの重要性
キャリーケースは単なる移動手段ではありません。ペットの安全と快適さを守る重要な役割を果たします。
役割①:ペットの安全性を守る
キャリーケースは、外出時のペットの安全性を確保し、飼い主さんの負担を軽減する役割があります。
- 外出時のストレス軽減:キャリーケース内はペットにとって唯一安心できる空間となり、移動中のストレスを和らげます。
- 怪我の防止:特に動物病院での診察時、暴れるペットが外に飛び出てしまったり、逆に出ないようにと爪を立てて踏ん張ることで、爪が剥がれるなど怪我をしてしまうことがあります。外に出しやすい、中に入れやすいキャリーケースを使用することで、怪我の防止に繋がります。
役割②:動物病院での活用例
動物病院では、キャリーケースがペットの診察や処置の際に重要な役割を果たします。
- ペットがキャリーケースから出てこないと診察が遅れてしまいます。
あの手、この手と頑張って引っ張り出そうとするも、ペットも踏ん張って出てこないことがあります。 - 暴れるペットをキャリーケースから出し入れする際、飼い主さんやスタッフが噛まれたり、引っ掻かれたりと怪我をすることもあります。
理想的なキャリーケースの条件
獣医師目線での条件
- 開口部が広い
- スムーズにペットを出し入れできる構造が必要です。
- 上部に蓋がついている
- 上からもペットを出し入れでき、特に暴れる子には便利です。
上に蓋がついてなかったとしても、天井をカパっと開けられる構造になっているものであれば、助かります。
- 上からもペットを出し入れでき、特に暴れる子には便利です。
- ハードケースで頑丈
- 移動中の衝撃からペットを守るために必須の要素です。
待合室で他の大きな犬に何かされる恐れもありますし、外からの衝撃に耐えらえる構造のものの方が安心であると考えられます。 - また、リュックやメッシュのような柔らかい素材だと、ペットが中で暴れてケースごと転がって行くことがあります。
診察台から落下して怪我をする恐れもあるので、柔らかいケースはあまりオススメできません。
- 移動中の衝撃からペットを守るために必須の要素です。
飼い主目線での条件
- 軽量で持ち運びしやすい
- 特に動物病院へは女性の方が一緒に連れて来られることが多いので、軽くて持ちやすい設計をされていることが求められます。
- コロ付きで移動が楽
- 車輪が付いていれば長距離移動も負担が少なく、ペットの重量を気にせず運べます。
- 振動対策としてクッションやタオルを活用するのがおすすめです。
- 多機能性を備えたキャリーケース
- 換気機能付き、照明付きなど、ペットの快適さを重視した機能が付いているものもあります。
- デメリット:これらのキャリーケースは重量があり、大きい場合が多いです。
しかし、コロ付きであれば車移動に限定することでこのデメリットを相殺できます。
獣医師がおすすめするキャリーケース
私が実際に飼い主さんが持ってこられているものを見て、「これ良いな!」と思ったことのあるキャリーケースをいくつかご紹介します。
1. 上部開閉型ハードキャリーケース
- 特徴:頑丈で扉が上からと横からと付いていて、出し入れが非常に楽ちん
- 獣医師目線の感想:怖がるワンちゃん、ネコちゃんを取り出す時、上からそっと取り出すことが可能で非常に便利です。上下でバラすこともできるので、バスタオルを被せて不安を軽減させて取り出すこともできますし、軽量で安定感もあり、汎用性が高いペットキャリーです。
- 特徴:円形のドーム上で中にクッションが入っているユニークなペットキャリー
- 獣医師目線の感想:猫ちゃんで使用されている方が多い印象です。人懐っこい子であれば、蓋を開けただけで出てきてくれますし、怖がりな子に対しては上蓋ごと外して、取り出すことができます。
視界がオープンすぎるので、怖がりな子で使用する時はバスタオルなどで、視界を遮ってあげると安心できると思います。
2. 軽量コロ付きキャリーケース
- 特徴:コロつきのキャリーで、荷物が多い方でも移動が楽にできます。
- 獣医師目線の感想:診察室で使ってみた感じはコロのガタつきもほとんどなく、スムーズに転がせるので、振動もそれほどないと思います。
旅行などの長距離移動でも使えるはずです。
ただ、コロつきのデメリットとして、凹凸のある床を走らせる際は動物へ振動が伝わってしまう為、厚めのクッションやバスタオルなどを使って振動対策をしてあげましょう。
3. 多機能型キャリーケース
- 特徴:バッテリー搭載でケース内の換気機能と照明が付いています。大きめのサイズで、猫が2匹入るぐらいのスペースがあります。丸い大きな窓がついていて、デザインも丸みがあって可愛いキャリーです。多機能型のペットキャリーと言えます。
- 獣医師目線の感想:最初見た時、デカい!って感じました。換気機能や照明が付いていて面白いなーという印象です。大きさもそうですが、取り出し口もやや狭めなので、日々の通院に使用するのは若干不向きかと思います。旅行や帰省などの長距離移動では快適に移動できるのかもしれません。
キャリーケース選びの注意点
ペットのサイズに合ったものを選ぶ
キャリーケースは、ペットが快適に過ごせるサイズを選ぶことが大切です。
小さすぎるとストレスを感じ、大きすぎると移動が不安定になります。
ペットの体格に合ったサイズを選ぶようにしましょう。
目安としては、
・面積:ケース内でUターンできるか
・高さ:立ち上がることができるか
これらを意識してサイズを選んでもらうと良いでしょう。
通気性を確認する
キャリーケースは通気性が良いものを選ぶことで、長時間の移動中もペットが快適に過ごせます。
小窓がたくさん開いているものを選ぶようにしましょう。
洗いやすさ
定期的に清潔を保つために、分解や掃除が簡単なものを選びましょう。
汚れが落ちやすい素材も重要です。
底がクッションになっているものであれば、クッションを取り外し丸洗いができるのかをチェックしておきしょう。
また、ケースが上下に分解できるものであれば、腕をケース内に突っ込まなくても隅々まで洗うことができるので、便利です!
動物病院でスムーズに使うためのコツ
キャリーケースを安心できる場所にする
- 家でキャリーケースを見慣れさせておきましょう。
- ペットの好きなおやつやバスタオルを中に入れて、安心感を持たせる工夫が有効です。
- 移動の際や待合室ではバスタオルなどを被せ、視界を遮ることで他の動物を見なくて済み不安を軽減させることができます。
暴れるペットの扱い方
- 上部開閉型キャリーケースを活用することで、暴れるペットの出し入れがスムーズになります。
- 出し入れの際には焦らず、優しく声をかけて落ち着かせることがポイントです。
- 取り出す時、爪を引っ掛けて踏ん張る子が多いので、爪をあらかじめ切っておくと取り出しがスムーズにでき、爪が剥がれてしまうなどの不必要な怪我も防ぐことができます。
まとめ
ペットの安全と快適な移動を考えるなら、キャリーケース選びが重要です。この記事で紹介した条件や商品を参考にして、ペットにも飼い主さんにも優しいキャリーケースを選んでください。
ペットとの外出がより快適で楽しいものになることを願っています!
ぜひこの記事を参考に、理想のキャリーケースを見つけてください!
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