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犬の予防薬、結局どれがおすすめ?

はじめに

今回は「犬の予防薬、結局どれがおすすめ?」というテーマでお話ししていきたいと思います。
フィラリアなどの予防薬のシーズンがやってきました。
皆さん、かかりつけの動物病院から予防薬やワクチンのお手紙が届いている頃ではないでしょうか?

ところで皆さんはどのように予防薬を選んでいるでしょうか?

そもそもなんですが、予防薬っていうのは動物病院に行くとまとめ買いさせられますし、
種類もたくさんあり過ぎて、訳わからないですよね?
私も飼い主さんの立場だったら絶対こんがらがっていると思います。

今回、そんなせっかく予防薬のシーズンというのもあるので、獣医師の立場からわかりやすく整理していきたいと思います。

予防薬の選び方(タイプ別編)

まずは予防薬の選び方(タイプ別編)についてです。
予防薬には4つのタイプがあります。

予防薬のタイプ
  1. 背中に液体を垂らすスポットタイプ
  2. お肉の匂いがするおやつタイプ
  3. ご飯に包める錠剤タイプ
  4. 1年間効果が持続する注射タイプ

これらは全てフィラリア予防のお薬で、それぞれメリット・デメリットがあります。

スポットタイプ

スポットタイプのメリット

まずスポットタイプですが、スポットタイプは液体のお薬を背中につけるので、薬を飲むのが苦手な子やチワワのような小型犬で多いのですが、
食にがっつかない性格でおやつタイプもあまり食べない子などではおすすめです。

スポットタイプのデメリット

デメリットは液体が揮発しやすいように機材がアルコールベースのものになっているものが多く、
皮膚が敏感な子だと付けたところが痒くなったり、
赤くなったりすることがあります。

付けた場所を痒がったり、赤くなっていないかは注意してみてあげましょう。

おやつタイプ

おやつタイプのメリット

このタイプはお肉をベースとしたおやつに予防薬を練り込んだタイプなので、
薬っていうよりもおやつ感覚で食べてくれるのがメリットです。
このタイプが割と人気があって、これを使っている方は多いのではないでしょうか?

おやつタイプのデメリット

デメリットとしては、お肉ベースということなので、
食物アレルギーを持っている子だとアレルギー反応を示すことがあります。

おやつタイプの予防薬を与えた後に、
お腹の皮膚が赤くなったり、指先を痒がったり、吐いたり、下痢しちゃったりとかがあれば、
その子の体質に合っていない可能性があります。

あと、他のタイプと比べると少し値段が高いものデメリットとなります。

錠剤タイプ

錠剤タイプのメリット

これは錠剤なので、いかにも薬って感じの予防薬にはなるんですが、
これはこれでスポットタイプやおやつタイプにはないメリットがあります。

例えば、スポットタイプを使ってみて、皮膚が赤くなってしまった子や食物アレルギーを持っていておやつタイプが食べれない子とかだと、
純粋に薬の成分だけが含まれているこの錠剤タイプっていうのは非常に便利です。

あとは決まったおやつしか食べないこだわりが強い子には錠剤なので、お気に入りのおやつに包んであげることもできます。

錠剤タイプのデメリット

デメリットは錠剤なので、
それ単品だと自ら進んで食べてくれないことが多いということです。
しかし、先ほどお話ししたように皮膚が弱い子やアレルギー持ちの子にも使えますし、
お気に入りのおやつに包んだりもできるので、
割と応用の利くタイプなんじゃないかなと感じています。

注射タイプ

これは他の3つのタイプとは全く別物で、年一回投与するだけで、1年間フィラリアを予防できるお薬となります。

注射タイプのメリット

メリットは毎月予防薬を飲ませる必要がなく、年に一回の投与で終了することです。
これも投薬の必要もないですし、
コスト面でも他のタイプより安いので、割と人気の予防薬です。

注射タイプのデメリット

このタイプのデメリットは体内に薬が残り続けるという点です。

安全性に関してはしっかりと保証されていますので、
それほど過剰に反応する必要はないですが、
薬が年中体の中に残っているということをどう感じるかという気持ちの問題ですね。
「安全性も調べられてるし、特にそんなに気にしないよ」という方は楽ちんですし、
コスパも良いのでおすすめです。

予防薬の選び方(効果別編)

次は予防薬の選び方(効果別編)についてのお話です。
効果という面から見ると大きく分けて2種類あります。

それはフィラリアとお腹の虫に対して効果を示すものと、
オールインワンタイプと呼ばれるフィラリア、お腹の虫に加え、ノミやダニにも効果を示すものがあります。

これら二つは予防できる守備範囲が異なるため、購入する場合は注意が必要です。
フィラリアだけのお薬ではノミやダニの予防はできないので、ノミダニ予防の予防薬を別で飲ませる必要があります。
一方、
オールインワンタイプだと、1回投与するだけで済むので、楽ちんで人気があります。

小型犬でお外に全く出ないし、散歩も行かないし、他の犬や猫と接触がない場合は
ノミやダニが寄生するリスクが少ないので、フィラリアだけを予防するという使い方もありですし、
個人的な意見としては基本オールインワンタイプを使っていて、
1月2月だけノミダニの予防薬を使うというのが、一番合理的なんじゃないかなと思います。

代表的なお薬

スポットタイプ、おやつタイプ、錠剤タイプ、注射タイプのそれぞれ代表的なお薬をご紹介していきたいと思います。

レボリューション®️

スポットタイプで定番なのはレボリューションという予防薬です。
レボリューションはフィラリアの他にノミとミミダニを予防してくれるお薬です。

ミミダニは正式名称はミミヒゼンダニと言って、耳の中に寄生する虫で、茶色から黒っぽい耳垢を作り、外耳炎などの痒みを引き起こす寄生虫です。

ここで注意しなければいけないのが、ダニはダニでもマダニと別物であるということです。

マダニは草むらに潜んでいていて、犬が通ったタイミングで飛び付いて、
体の表面から血を吸うタイプのダニで、野生動物が持っているウイルスなどを犬に感染させます。

なので、完全室内犬やアスファルトで舗装された道をちょこっと散歩するだけの犬であれば、レボリューション単独でも良いですが、
公園の草むらや河原を散歩するのが好きな犬はマダニが予防できるお薬を使うのがおすすめです。

ネクスガードスペクトラ®︎

次はおやつタイプの予防薬として人気なのが、ネクスガードスペクトラです。
ネクスガードスペクトラはテレビのcmでも結構流れているので、ご存知の方は多いのではないでしょうか?

このお薬はフィラリアだけでなく、ノミやマダニも予防できるオールインワンタイプのお薬になります。
大豆ベースで作られており、牛肉の香りがするので、おやつ感覚で喜んで食べてくれる子が多いです。

私は、ネクスガードスペクトラは定番なお薬で全部カバーしてくれるものなので、
年間を通じて飲み続けてて良いのではないかなと考えています。

フィラリアがいない1月2月だけはネクスガードスペクトラを使わずに、
ブラベクトというノミとマダニを3ヶ月間予防してくれる予防薬を使うという方法もおすすめです。

ブラベクトもネクスガードスペクトラと同じでおやつタイプの予防薬で、ノミとマダニだけを予防してくれます。

フィラリアが必要ない時期にフィラリアのお薬を飲ませたくないという方はこういった方法も選択肢の一つとなります。

パナメクチン錠®︎

錠剤タイプにはパナメクチン錠というのがあります。
こういったお薬は小さな形状なので、フィラリアだけを予防する薬が多いです。

こういった錠剤タイプのお薬は先ほどお話しした通りで、応用が効きやすく、可もなく不可もないお薬です。
他のノミダニの予防薬と組み合わせて使うことが多いです。

プロハート®︎

最後は注射タイプのお薬ですが、これはプロハートが代表的なお薬となります。

こういったタイプのお薬というのはミクロスフェアというとても小さな粒子の中にフィラリアの薬が含まれていて、徐々に体の中で溶けていくことで、1年間予防することができるというお薬です。

毎月予防薬を飲ませる必要がないので、毎月飲ませるの忘れがちだし、めんどくさいなという方におすすめです。

ただ、これもノミやマダニの予防ができるわけではないので、お外に遊びにいく子はノミやマダニのお薬を飲ませる必要があります。

最後に

本日は予防薬に関するお話をしました。

予防薬にはタイプ別と効果別があって、タイプ別はスポットタイプ、おやつタイプ、錠剤タイプ、注射タイプがあります。
どのタイプにするかはワンちゃんの好みや体質に合わせて選択してもらえればと思います。

効果別はフィラリアだけを予防する薬とフィラリアに加え、ノミやマダニも予防するオールインワンタイプのものがあります。
これは完全室内飼いなのか、お外で遊ぶ子なのかによってどっちのタイプにするかが決まるので、ライフスタイルに合わせて選んでもらうと良いでしょう。

予防薬はたくさん種類があって、比べたり組み合わせたりするとキリがないので、
体質やライフスタイルに合っていれば、「これ」というの決めて予防しておくので良いのではないかなと思います。

大切なのは毎月しっかりと予防しておくということです。

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