腫瘍随伴症候群とは
定義と原因
腫瘍随伴症候群とは『原発または転移病巣とは直接影響を受けないが、腫瘍に関連した体の構造的・機能的変化』と定義されています。
腫瘍随伴症候群で最も多い原因は以下のようなものがあります。
・腫瘍の産生する小分子(ホルモンやサイトカイン、ペプチドなど)によるもの
・腫瘍対する宿主の免疫応答によるもの
・腫瘍によって体内のホルモンやサイトカインがなくなることによるもの
などがあります。
治療する方法
多くの腫瘍随伴症候群は悪性腫瘍と並行して発生し、腫瘍の治療がうまくいくと消失していきます。裏を返せば、腫瘍治療後の腫瘍随伴症候群の再発は腫瘍の再発を示唆したり、臨床的検出段階に達する前に腫瘍存在を先立って知らせてくれます。
腫瘍を治療しても治らないものもある
腫瘍随伴症候群の全てが腫瘍治療と一貫して、治ってくれるわけではありません。
がん性悪液質や免疫や神経系が病因となっているものなどがその例です。
腫瘍の存在や腫瘍種の推測ができる
腫瘍随伴症候群は悪性腫瘍の初期症状として認められることもありますし、特に特定の腫瘍種と結びつきの強い腫瘍随伴症候群もあることから、悪性腫瘍の存在や腫瘍種を推測するのにも役立ちます。
また、腫瘍を治療することで症状が消失していくことから、治療効果判定の目安の一つとしても使用されます。
時として対症療法も必要になる
時として、腫瘍随伴症候群による症状は発生している腫瘍よりも患者の状態を悪化させる要因となることがあります。そのため、特に腫瘍への直接的・効果的な治療が行えない場合は腫瘍随伴症候群に対する対症療法を行うべきです。
一覧:腫瘍随伴症候群と関連する腫瘍
※各項目に関しては随時更新していきます。
高グロブリン血症
貧血
赤血球増加症
好中球増加症
血小板減少症
播種性血管内凝固(DIC)
結節性皮膚線維症
壊死性遊走性紅斑
猫の腫瘍随伴性脱毛症
剥奪性皮膚炎
糸球体腎炎
重症筋無力症
末梢性神経障害
肥大性骨症